なぜインプラント(人工歯根)が絶対にダメだと言われるのか
インターネット上にあるQ&Aサイトや知恵袋、掲示板などで多く見受けられる「インプラント 絶対 だめ」という内容。確かにインプラント(人工歯根)はデメリットもあります。その反面、インプラント(人工歯根)にはメリットもあります。ではなぜインターネット上でインプラント(人工歯根)が絶対にダメだと言われているのか。ここではインプラント(人工歯根)が絶対にダメだと言われる理由をいくつかの視点で考えていきます。今インプラント(人工歯根)をご検討中の方からインプラント(人工歯根)にすべきかお悩みの方のご参考になれば幸いです。
【目次】
・インプラントが絶対にダメだと言われている背景
・まとめ
インプラント(人工歯根)が絶対にダメだと言われている背景
物事には全て良し悪しがあります。必ずしも良いことばかりでも悪いことばかりでもありません。絶対にと言い切れるものは数少ないでしょう。ではインターネット上でインプラント(人工歯根)が絶対にダメだと言われている理由はどんなものがあるのでしょうか。インターネット上でインプラント(人工歯根)が絶対にダメだと言われる理由はいくつかあり、大きく分類すると以下の5点になります。
- インプラント(人工歯根)治療法に関する内容
- インプラント(人工歯根)治療費や治療期間に関する内容
- インプラント(人工歯根)治療後のメンテナンスに関する内容
- インプラント(人工歯根)治療リスクに関する内容
- インプラント(人工歯根)が合う合わないに関する内容
インプラント(人工歯根)は外科手術を伴う治療になります。通常の虫歯治療とは治療方法が大きく異なる点、自費診療(保険適用外の診療)により費用が高くなってしまう点、治療期間が長くなりストレスを感じてしまう点、身体には一定以上の負担がかかる点などがあり、どうしても不安や不審の視点が大きくなり、目立ってしまうところがあります。
1. インプラント(人工歯根)治療法に関する内容
インプラント(人工歯根)は外科手術が必要になります。通常の虫歯診療とは大きく異なります。具体的には顎の骨にチタン製のインプラント(人工歯根)を埋め込むために切開したり、穴を開けたりします。インプラント(人工歯根)は絶対ダメと言われいる理由の多くはこの「外科手術」と「身体の中に金属を入れる」ことに抵抗がある点を言われています。ただこの外科手術が身体への負担や命に健康を著しく害するようなものであるかと言われればそんなことはありません。歯科医師は身体への負担の少ない術式で行います。インプラント(人工歯根)を埋め込む処置自体は15分程度で終わり、全体でも1時間程度で手術は終わります。またインプラント(人工歯根)は人体への影響が少ないとされる素材が使われており、メーカーによって安全性は保障されています。
2. インプラント(人工歯根)治療費や治療期間に関する内容
インプラント(人工歯根)は原則として自費診療となるため、保険が適用される従来法よりも治療費が高くなります。使用する素材の原価も高く、高度な技術を要する治療より1本あたり300,000円~500,000円程度の費用がかかります。ただインプラント(人工歯根)は天然歯に最も近しい機能を取り戻すことができ、その上ブリッジや入れ歯よりも寿命が長いです。この点をふまえると作り替えや通院回数の多いブリッジや入れ歯と比べると単純に「治療費が高い」とは言い切れません。またインプラント(人工歯根)の治療期間はチタン製のインプラント(人工歯根)と顎骨が結合するまで下顎の場合は3ヵ月以上、上顎の場合は6ヵ月以上かかります。その上連結装置であるアバットメントの装着や上部構造の製作期間も加わるので、全体で半年から1年程度の治療期間を要します。ですが、先程の通り通院回数は少なくて済みますので、生活へ大きな負担を強いることはございません。
3. インプラント(人工歯根)治療後のメンテナンスに関する内容
インプラント(人工歯根)は治療後に定期メンテナンスを受ける必要があります。おおよそ3~6ヵ月に1回くらいのペースの通院になります。理由はインプラント(人工歯根)は治療後に感染症などのリスクがあり、インプラント(人工歯根)を絶対にやめた方が良いと言われる点はこの感染症のリスクにもあります。ですが、感染症のリスクは治療後のメンテナンスをしっかりと受けていただければ小さくすることが出来ます。治療後のメンテナンスは感染症の予防だけでなく、インプラント(人工歯根)を10年、20年と快適に使い続ける大切にケアになります。
4. インプラント(人工歯根)治療リスクに関する内容
インプラント(人工歯根)は外科手術を伴う治療の為、全くリスクがないということはありません。インプラント(人工歯根)治療の際の外傷やインプラント(人工歯根)治療後での細菌感染などによってインプラント(人工歯根)が脱落する場合があります。インプラント(人工歯根)が脱落しても顎の骨の状態が良ければインプラント(人工歯根)の再治療は出来ます。ただ顎の骨の状態次第ではインプラント(人工歯根)の再治療を行うことは難しくなります。その場合、多くのケースではブリッジや入れ歯による治療となります。代替え手段が全くないわけではございません。またインプラント(人工歯根)治療では手術中と手術後に感染症のリスクが生じます。感染対策をしっかり行っている歯科医院であれば、手術中の感染リスクを最小限に抑えることができます。手術後の感染リスクは患者さまのご自身での管理も重要になります。特にインプラント(人工歯根)の歯周病である「インプラント周囲炎」はインプラント治療が失敗する主な原因となっているため十分な注意が必要になります。ですが、治療後のメンテナンスをしっかりすれば「インプラント周囲炎」を最小限に抑えることが出来ます。
5. インプラント(人工歯根)が合う合わないに関する内容
インプラント(人工歯根)治療は10年、20年と天然歯に近しい機能を取り戻せます。但し、全ての方に合うわけではございません。そもそもインプラント(人工歯根)に合わない患者さまもおり、全身疾患のある方はインプラント(人工歯根)治療が難しくなります。具体的には重度の高血圧症や糖尿病を患っていらっしゃる方、過去に脳梗塞や心筋梗塞を発症して血液が固まりにくくなる薬剤を服用していらっしゃる方になります。理由は、外科手術中に全身状態が急変するような病気を患っていると安全に遂行できないためになります。もし全身疾患のある方はかかりつけ医へご相談ください。次に金属アレルギーの方もインプラント(人工歯根)治療が難しくなります。インプラント(人工歯根)はチタンという金属を使用します。チタンは安全性の高い金属で、心臓のペースメーカーや人工関節にも使われています。ただ金属アレルギーのリスクがゼロではありません。ただ金属アレルギーの方でも「ジルコニア」というセラミックを使ったインプラント治療でしたら可能になります。よって金属アレルギーの方が全く出来ないわけではございません。最後に偶発症のリスクになります。インプラント(人工歯根)治療では外科手術を伴うので偶発症のリスクがあります。具体的にはインプラント(人工歯根)治療とは無関係の病気や加齢に伴う症状が発症することになります。インプラント(人工歯根)治療前ではかかりつけ医や検討先の歯科医師との事前のご相談、インプラント(人工歯根)治療後のメンテナンスをしっかり行うことで偶発性のリスクを抑えることが出来ます。
まとめ
どのような治療にもメリットやデメリット、リスクがあります。インプラント(人工歯根)治療も同様です。インプラント(人工歯根)治療が絶対にダメというわけではなく、ダメなところもかかりつけ医や検討先の歯科医師へ相談してきちんとした情報を得ることで、インターネット上で言われているインプラント(人工歯根)治療のデリット、リスクを回避したり、抑えたり、小さくしたりすることができます。歯が抜けた後の治療において、インプラント(人工歯根)治療は患者さまにとって人生を豊かにできる治療法です。インターネット上の情報に振り回されず、実りある人生を過ごせる選択になれば幸いです。もしお悩みでしたらいつでもお気軽に当院へご相談くださいませ。