こんにちは。歯科医師の萩原です。
「甘いものを沢山食べると虫歯になる」
そのように考えている方も多いと思います。確かにその通りです。ただ虫歯の発生には様々な原因が重なり合っています。本日は専門的な観点から虫歯の発生について解説したいと思います。
虫歯とは簡単に言うと「口の中の細菌が作り出す酸によって歯が崩壊していく病変」です。
まず歯の基本構造は外側から、エナメル質→象牙質→神経となっています。

虫歯は細菌の作り出す酸によってエナメル質、象牙質が溶けて穴が開いて神経に痛みが発生します。
ただ虫歯の原因は歯と細菌だけではなく以下のような要因があります。

1)細菌
虫歯菌の定着は2歳7か月頃までの間に親との食器の共有や口移しなどにより唾液を介して起こります。虫歯菌 は口の中の歯垢(歯に付着した細菌の塊)に存在し、食事(食査)を分解し、増殖、酸を産生し歯を崩壊させます。
2)歯
エナメル質や象牙質には、溶け始めるpHがありそれ以下の状態が持続することにより虫歯となります。しかし、穴が開いていない初期の虫歯であれば唾液の作用により元の戻ることが出来ます。
3)食事
細菌が酸を作り出す原料になります。特に糖質、とりわけ砂糖によって細菌の増殖、歯への定着、酸産生が増加します。
4)時間
虫歯によって歯に穴が開くまでには2~4年かかるといわれています。短時間のpHの低下であれば、唾液の作用により元に戻ることは可能です。しかし間食の頻度が多かったり、ずっと飴を舐めていたりと長時間口の中のpHが低い状態が続くと穴が開き虫歯となります。
以上のような要因があり、それぞれの要因に対してアプローチすることにより虫歯の発生を抑制することが可能になります。
それぞれの要因へのアプローチ方法
1)細菌:なくすことは難しいですが、歯ブラシやフロス、歯間ブラシ、歯科医院でのクリーニングにより数を減らすことは可能です。
2)歯:歯の構造自体を虫歯に強くすることが出来ます。方法としてはフッ素が有効で、フッ素含有の市販の歯磨き粉を使用したり歯科医院でのフッ素塗布などをすることにより、歯の虫歯への抵抗性が高くなります。
3)食事、時間:砂糖の摂取を控えることが有効ですが、現実的に難しい為、食事やお菓子を食べた後は歯を磨くことを徹底したり、間食を控えるなど口の中のpHが低い状態が長時間持続しないようにすることが重要です。
虫歯の発生について解説させていただきました。詳しい歯ブラシや歯磨き粉の選び方については歯科医師や衛生士にお気軽にお聞きください。日々の口腔ケアの参考になれば幸いです。
